A      歯科においても色々な検査があります、本日歯石を取りたいとのことで来院された患者さん、歯周病の検査はしないで歯石だけ取ってくれとのご希望でした、確かに私もその気持ちわかります、いろんな検査やられて、特に歯周病検査は針のようなもので歯茎の間に入れられチクチクして気持ちが悪いものです、歯石だけ取りたいとの気持ちわかりますが、厚生省の見解では歯石除去だけの算定は認めないとのことです、つまり歯周病検査を算定しなければ歯石除去の請求をしても保険者は支払う必要がないとのことです、無料で歯石を取るわけにはいかないので、必ず検査をします、更に歯石を取って翌月にまた歯周病の検査をして歯周病が改善しているかを調べるよう指導されています。

A   歯石にも悪さをする歯石とそうでない歯石があります。宮城県で行われている後期高齢者の歯科検診というものがありますが、あまり歯科にはかかったことがない75歳の人がいらっしゃいますが、中には立派な歯石を蓄えている人もいます、そのような人が全て歯周病が進んでいるかというと、そうとも限りません、本当に悪さをするのは歯石ではなくてプラークです、プラークは細菌の塊ですから絶対除去しなければいけません、理想的には歯石を取って歯や歯根面ツルツルにしてプラークのつきにくい環境を作ることが大切ですが、痛い思いをしてまで取る必要はありません、少しずつ痛くない範囲で取ればいいのです。歯石を取るとき痛いのは歯肉縁下歯石といって歯茎の中についているものですが、それほど歯周病が進んでなければ、ブラッシングで歯茎を引き締めて表面に現れてきたものを取ります、要は歯石が付いていても歯周病が悪化しなければいいのです、我々歯科医師や衛生士の目標は患者さんが快適に食事をできる環境を作ることが一番大切なことであって、歯石を全て取ることが目標ではありません。